一般社団法人大分青年会議所

2025年度 理事長

荒金祥太

はじめに

 歴史に残る様々な偉人が「失敗を恐れていては成功などありえない。なにもしないこと を恐れろ」と語っている。新しいことに挑戦しようとすると周りの人から否定されること が多々ある。しかし、挑戦し失敗することが失敗ではなく、挑戦しないことこそが本当の 失敗なのだ。数々の発明をして世間に革新を与えた発明家トーマス・エジソンは言った。 「私は今まで一度も失敗をしたことがない。ただ、一万通りの方法を見つけただけだ」彼 は新たな発見をし、新たな挑戦の機会を得たのだ。そして、挑戦し続けることにより世界 に光をもたらしたのだ。  情報化社会を生きる私たちは、SNS の普及により様々な情報が溢れている。青年会議所 活動においても、数ある情報の精査が難しく、周囲を気にするあまり、本来の目的を見失 いがちである。私たちの起こす運動は発展と成長の機会を与えなければならなく、決して 自己満足に終わってはいけない。よく目にする情報の中には、手軽に成功ありきの行動や 体験を学べ、簡易に情報を得て真似ることができる。しかし、自分の成功は誰かの成功と 同じとは限らないと私は思う。逆もしかりで、誰かの失敗が自分の失敗にはならないの だ。だからこそ、挑戦することで成功に結びつかなくとも、多くの学びが得られるという 考えが必要なのだ。他者と比較されることや、様々なリスクを避け、安定の道を選ぶこと は現状維持であり、その後の発展にはつながらず成長の機会を失っている。青年会議所は 自由なのだ。挑戦することで、失敗してうまくいかないことを経験し、やり方を変えて何 度でも行うことで成長の機会を得ることができ、未来を変えていけるのだ。  近年、社会情勢は目まぐるしく変化している。大分青年会議所は、このような時代の変 化にいち早く対応し、発展を行うため、仲間と共に最前線で歩んでいくことが必要であ る。青年経済人として、地域の未来に貢献ができているのだろうか。情報化社会だからこ そ不安要素を抱えながらも、自分を信じ、仲間を信じ一歩前へ進んでいかなければならな い。なにかを成し遂げた人は常に挑戦をし、自分自身の夢をあきらめない人だ。挑戦なく しては成長もない。常に未来を見据え勇気をもって進んでいこう。我々に課せられた使命 は日々挑戦してこそ達成できる。挑戦とは可能性だ。チャレンジの先には成功か成長しか ない。何事にも屈することなく、自身の可能性を広げよう。さあ、今こそ未来へ挑戦の始 まりだ。

組織の基盤となれ

 組織運営においてルール遵守の徹底は不可欠である。組織の成功と効率的な運営は、明 確な規則と方針に基づいてくる。全メンバーが快適に青年会議所活動を行うためにも、規 則を遵守し規律ある会議体を目指していこう。一人ひとり時間軸は違う。しかし、誰に対 しても時間は無限ではなく有限であり、貴重な資源だ。近年では、様々な会議の在り方が 求められている。face to face、リモート会議には、それぞれ利点がある。有意義な時間 の活用をし、効率を上げ、誰もが自分の意見を言いやすい環境を整えることに挑戦しよ う。また、財政管理の透明化も重要となる。全メンバーが同じ会費を集め活動を行ってい る中で、財政の透明性は信頼を得られる基盤となる。信頼される会議体を目指し、全員が 共感して参加できる環境を築き、継続的な改善を行い会議体全体の発展に努めていこう。  会員拡大の必要性は、組織の持続可能性と成長に大きく関わってくる。新しいメンバー との出会いは、多様な視点やアイデアをもたらし、組織の活性化へ向かうことができる。 青年会議所には 40 歳までというタイムリミットがあり、その時間でしか活動ができないか らこそ、新しい風を巻き起こす人財が必要となる。可能性のある人財を求め、広い視点で 会員拡大を行っていこう。一方で、育成の重要性も見逃すことはできない。新しい会員が 組織の目標や価値観を理解し、積極的に参加するためには、効果的な育成が必要となる。 それは新しい会員に限らない。組織を活性化するにあたり、私たちは何のために活動を行 っているのかを再認識し理念の共有をしなければいけない。育成を通じて会員のスキルや 知識を向上させることにより、会員一人ひとりが発展と成長を与えられる人財となり、組 織全体の質も向上し、より強固な大分青年会議所を共につくりあげよう。

連携を深め発信せよ

 現代社会においてコミュニケーションツールは多岐にわたる。少し昔を思い出してみよ う。携帯電話もない時代の連絡は約束が絶対だったのではないだろうか。近年では IT ツー ルが流通し、容易に連絡が取れるおかげで約束というものが簡単に変更されていないだろ うか。もちろんスマートフォン等の必要性は現代社会において欠かせないものとなってい る。ただし、そこに想いは伝わるのだろうか。現代のツールを使いつつも古き良き時代を 思い出し、メンバーや OB と連携を図ろう。青年会議所は一体となり、同じ目標を持ち活動 しなければならない。活動や運動を活発に展開するためにも、連携を深め、人を巻き込む 力を身につけよう。また、青年会議所には各地大会や出向という人財育成の仕組みがあ る。そこには大きな成長と発展の機会が提供される。待っていてもチャンスは来ない。自 ら成長の機会をつかみにいこう。そこに新しい発見があるはずだ。  広報は大分青年会議所活動の発信の場である。私たちの活動や運動による「住みやすい 街づくり」は、市民に幅広く知って頂くことで活発な活動ができることにつながる。現代 社会では、デジタルメディア、SNS、インフルエンサーとの連携が優先されがちとなってい るが、まずは自身が大分青年会議所の広告塔となり活動していこう。広報は組織ブランデ ィングの一環であり、常に発信し続けることで大分青年会議所の知名度を高め、運動の効 果を最大に発揮することができる。大分青年会議所の価値や魅力を市民に伝えるために は、定期的な事業や活動報告、成功事例の共有を行い、市民の目にとどまることが重要と なる。積極的に活動を発信することで、地域社会における青年会議所の存在感を高めるこ とを目指していこう。

未来を創造し行動をおこせ

 地域の活性化において、地域コミュニティの重要性は非常に高く「明るい豊かな社会の 実現」に向け、青年会議所もコミットしていかなければならない。大分青年会議所では、 「活性化ネットワーク」「夢色音楽祭実行委員会」「子ども屋台実行委員会」など、他団体 と協力体制を持ち地域の活性化を行ってきた。永きにわたり関わってきたコミュニティも あれば新しくできたコミュニティもある。地域コミュニティとかかわりを持つことは地域 が求めていることを把握でき、大分青年会議所において新しい発見が生まれ地域課題に取 り組むことができる。大分青年会議所はコミュニティを活性化させるためにも新たな取り 組みをはじめよう。これまで通りではなく、最大限に地域を活性化できるコミュニティを つくりあげていこう。  大分青年会議所は全国大会おおいた大会を終えて 3 年目となる。全国大会おおいた大会 時に中長期ビジョンの策定を行ったが、メンバーの理解はどこまでできているだろうか。 中長期ビジョンにおいては分かりやすく明確にし、メンバー全員が共通認識を持つことが 重要となる。将来を見据えた明確な目標を掲げることにより、組織の機運を高めることが できる。また中長期ビジョンは状況に応じて更新し、定期的に共有・フィードバックを行 うことで、組織の方向性が統一される。中長期ビジョンの策定は、将来の方向性を明示 し、メンバーのモチベーションを向上させ、持続可能な地域活性化を実現するために必要 となる。大分青年会議所は現在の中長期ビジョンをアップデートし、地域社会と共に成長 していこう。

地域の宝を大切に

 地域に根付くまつりは宝である。大分青年会議所では永きにわたりおおいた七夕まつり に参画してきた。伝統あるまつりに市民一体となり構築してきた大分青年会議所は、地域 の宝を守ってきたに違いないだろう。大分青年会議所の行うまつりは、時代とともに進化 し地域との絆を深め、信頼を勝ち得てきた。まずは自分たちが率先して「楽しい」を感 じ、1 年間通して大分青年会議所に活気をもたらそう。そして、その楽しさを地域に伝播 させることで巻き込む力をさらに培い、新たな地域の活性化と経済効果を目指していこ う。Be better(より良く)これまで以上の活気を故郷おおいたに与え、持続可能なまちづく りに挑んでいこう。  子どもの頃にどんな夢を抱いていただろうか。私たちは様々な体験、活動、多様な環境 を経て夢に挑戦してきた。子どもの成長は地域の宝になる。子どもと共に成長する過程を 歩むのが親であり、地域で見守る私たち大人である。まずは様々なことに挑戦させ、成功 体験を積ませることで、子ども達の好奇心・探求心を探り共に一歩を踏みだそう。さら に、現代社会において子ども達の遊びや学びの場は IT の進歩により幅広くなった。子ども に対する誘惑が増加する中でも、大切なことを忘れさせてはいけない。私たちが故郷の大 切さを手助けしながら考える力を与え、心身共に健全な子どもの育成の推進をしよう。大 分青年会議所にとって、これからを担う子どもが夢を持つことは、地域社会への希望であ り未来への投資となる。夢を持った子ども達は今後、社会へ活力を与え地域の発展へ大き な力を及ぼしてくれる。そんな地域の宝たちの夢を応援し、明るい豊かな未来をともに創 造しよう。

おわりに

やるか。やらないか。 いや、やってみよう。 入会して 11 年目。私も新しい挑戦の時がきた。今まで先輩に甘え、同期に支えられたこと は私の宝だ。私もいきなりできたわけではない。過去には逃げ出そうとし、判断も間違えた。 その都度、先輩や同期には指導をいただき学んだ。素晴らしい仲間に巡り合える JC は最高 である。 一人ではできないからこそ仲間がいる。 私はなにもできないからこそ、プライドを捨て、頼ることができた。それが学べたのも JC だ。 頼ってなにが悪い。人に協力を求めよう。ただし、困っている人がいるのであれば自分にで きることをやろう。 人によって価値観は違う。 自分の評価は他者によって様々である。 人に認められるためには、 否定するのではなく肯定することを考え行動しよう。 JC の活動や運動のすべてに楽しさを求めよう。やらされるのは違う。自らがやりたいから JC がある。つらい時にこそ楽しさを見つけ行動しよう。その楽しい姿は必ず伝播し活気を 与えてくれる。 GO for IT ~その挑戦は未来を変える~ 失敗してもいいじゃないか。ただし逃げることはしない。そこから学びにつなげよう。その 先に未来は必ずある。勇気をもって今飛び出そう。私たちの挑戦する一歩で自身の成長と社 会の発展へとつなげよう!

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