一般社団法人大分青年会議所

2020年度 理事長

福嶋 崇

0 はじめに

 stay hungry, stay foolish  アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が、2005年にスタンフォード大学の卒業式で卒業生へ贈った言葉です。自らが望むところに素直に向き合いつづけ、実現に値する面白い世界を構想し、それを現実のものにするためなら周囲の人からバカにされたとしても真っ直ぐに行動しつづける。エネルギッシュで生涯を通して世界を驚かせつづけたジョブズ氏の行動力に裏打ちされているからこそ、はなむけの言葉としての重みも増し、人生の指針として耐えうる説得力を感じます。この言葉が時代を超えて共感を得るのは、彼が時代の求めるものをただ提供するにとどまらず、時代の先を行き、人々が「面白い」と心を踊らせる未来を形にしたからです。そして、時を超越してもなお輝きを失わない価値が、その根幹にあったからに違いありません。  青年会議所には時代に左右されない魅力的な価値が存在しています。日本青年会議所が綱領で掲げる「明るい豊かな社会」の実現です。綱領の最後を締めくくるこの言葉は、1960年の日本青年会議所総会において制定されて以来、60年にわたり、日本の全てのJAYCEEとともに、大分青年会議所も信じてきた根源的かつ普遍的な価値に他なりません。私たちも、時代に揺るがされない魅力的な価値を受け継ぎつつ、青年らしく爽やかで新しい風を起こすために、絶えず枠組みを再構築し、場合によってはあたり前と思っていたことを内部から壊しながら新たな構造を生成する脱構築を試みる必要があります。たとえ外から見て愚かに映ったとしても、自ら構想した明るい豊かなおおいたの未来の実現に向けて、「面白い」と信じるものを常に形にする挑戦をしつづけるのです。  あたり前を疑い、その意味を問い、自ら心をふるわせ情熱的な行動につなげよう。  さあ、己の枠組みを変えよう。私が変われば、世界が変わる。

1 おおいたの価値を啓く

(1)おおいたでSDGsを誰よりも推進する  世界は、勝者が総取りする競争優位の社会から、SDGsが掲げる「世界を変える」ことに意味を見いだす社会へと、その枠組みを大きく変化させようとしています。SDGsは2030年のあるべき世界の姿を示すだけでなく、マーケットの将来像をも示しています。世界の課題解決に注力すれば、ビジネスを通じて、世界を変えることができるのです。これは大きなビジネスチャンスでもあります。  世界標準の枠組みを私たちの行動を通しておおいたに示しましょう。ローカルとしてのおおいたの価値を啓くのです。それは、置いてけぼりをつくることなく、誰もが豊かさを享受できるというSDGsの理念を体現してくれます。  私たちは幸いにして日本青年会議所という良いロールモデルにも恵まれました。日本青年会議所は、時代の流れを先取り、「日本一SDGsを推進する団体になる」と高らかに宣言し、実行に移しています。大分青年会議所がおおいたで一番SDGsを推進する団体になり、私たちの手で、おおいたの明るく豊かな未来を築くのです。

(2)共に歩むパートナーを戦略的に選び、結びつける  本気で世界を変えるには共に歩むパートナーの存在が必要です。すべての事業・活動において、世界を共に変えるパートナーを見つけましょう。大分市内の経済団体や企業、行政はもとより、政府や国際機関、世界を代表する大手企業や高等教育機関など、私たちが達成したい未来に応じて、協働できるパートナーは無数に存在しています。枠組みに制限はありません。パートナーとの連携は、相乗効果を生み出し、それぞれの活動にレバレッジを効かせることになります。  私たちとの活動を通して、パートナーとパートナーが結びつき、新たな課題解決の枠組みが生まれることも期待されます。大分青年会議所がハブになり、「まちづくりのエンジン」としての存在感を高めるのです。パートナーとの結びつきを強化し、私たちの手で良質なコミュニティを再構築していきます。

(3)おおいたに共生社会の華を咲かせる 「元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような蒼白い顔の月である。」  これは雑誌『青鞜』の発刊に寄せた平塚らいてうの辞です。ちょうど100年前の1920年、わが国で初めて女性団体が結成され、以後、女性の社会的進出や政治的権利は目覚ましい進歩を遂げました。とはいえ、一世紀の時を経ても、我が国は世界から大きく遅れをとっています。  すべての人に世界を変える力があります。  自分には世界を変える力がある。世界に「私」がいる意味がある。  誰もがそう確信できる世界を思い描いてみてください。誰もが挑戦でき、誰もが活躍の場を見いだすことができる社会は、誰にとっても生きやすい社会であると私たちは確信します。誰もが太陽のように自ら輝く社会のために、大分青年会議所が、女性のエンパワーメントをはじめ、共生社会の実現に向けた取り組みに着手することに意味があるのです。

2 おおいたから面白い未来を構想する

(1)beyond2022ー面白い未来を構想するー  なんのために全国大会をするのか。開催までの2年間という時間は、それを考え抜くための貴重な時間です。  全国大会は私たちが描く未来構想を実現するための手段の一つです。開催が目的でもなければ、大会が行われる数日間だけの成功を追い求めれば良いわけでもありません。大会成功後のおおいたのあり方を思い描き、全国大会を通じて生み出す新たな価値や、加速させる変化をイメージし、はっきりと言葉にする。メンバーの情熱と行動量を支えるために、おおいたの未来を構想することこそ、いま求められています。  人は新しいものに立ち向かおうとするとき、往々にしてドキドキするものです。私たちが勝ち取った全国大会への挑戦権は負担や苦役ではありません。自らの殻を破り、自らを変容させる絶好の機会です。胸が高鳴るその瞬間のドキドキを楽しむために、JCメンバーや大分市民がワクワクするようなおおいたの面白い未来を構想し、自分たちの子や孫たちの世代がおおいたを誇ることのできるグランドデザインを残すときなのです。

(2)全国大会2022おおいた大会ー面白い未来を共有するー  構想した未来は、多くの人と共有することで実現に近づきます。全国大会は私たちが構想した面白い未来を、全国の仲間とおおいたで共有し、世界に向けて発信する場です。  第71回全国大会おおいた大会の構築にあたっては、行政をはじめとする関係団体や副主管として協力を仰ぐことになる各地の青年会議所との関係強化が不可欠です。そのためにも私たちの未来構想を関係者と共有し、協力に値する前向きな意味を私たちから提示しつづけるのです。大分青年会議所が描く未来と日々の活動へ共感を積み重ねていきましょう。  全国大会の準備を進める過程で、大分青年会議所にとって重要なのは、メンバーが、楽しみながら経験を積み重ね、魅力的なリーダーへと成長していくことです。構想した未来を現実のものにするという熱い思いを抱いて活動に邁進する姿は、全国各地で出会う仲間たちの心を動かし、おおいたや大分青年会議所の素晴らしさを伝えるに違いありません。メンバーの振る舞いこそ最高のパフォーマンスです。仲間の成長とおおいたの面白い未来の実現を信じ、大分青年会議所はLOMを代表して出向するメンバーを全力でサポートします。

3 おおいたの豊かさを向上させる

(1)九州の玄関口おおいたを実現する  おおいたはかつて日本の玄関口でした。戦国時代、大分市が府内と呼ばれていた頃のことです。モノや情報が世界からおおいたに入り全国に広がっていく、そんな地域間・国際間の活発な対流が存在しました。もう一度、おおいたが九州の玄関口になる。こんな未来を想像してください。おおいたを取り巻く環境は大きく変わります。  1973年に基本計画となった第二国土軸構想では、おおいたが高速鉄道網と高速道路網の結節点として想定されています。豊予海峡に新幹線や高速道路が通ると、宮崎より松山が近くなり、いま福岡に行く感覚で大阪に行けるようになります。2045年までには大阪までリニアが開通し、大阪と東京の間は約1時間で結ばれると言われています。そのとき、豊予海峡に大阪へつながる新幹線が通っていたら、おおいたにダイナミックな対流が生まれ、私たちの生活や産業集積に劇的な変化がもたらされます。  交通ネットワークの整備には、民間の機運を高め、関係機関に熱意を示すことが肝要です。幸いにも私たちには全国に仲間がいます。四国や近畿の仲間たちとの広域連携を強化することも可能です。手を取り合いながら、それぞれの地域の個性が輝く未来を形づくる運動を、大分青年会議所が先頭に立ち、展開します。

(2)おおいたの強靭さを高める  災害発生時に復興に向けて支援に立ち上がる大分青年会議所の姿勢は、創立以来変わりません。2011年の東日本大震災。大分青年会議所は、発災2日後の3月13日から、大分市でどこよりも早く募金活動を開始しました。市内中心部で他の団体も活動するようになると、場所を郊外の商業施設等に変更し活動を継続し、初動対応は休まず9日間続けられました。その後も、2016年の熊本地震や北海道豪雨災害、2017年の日田豪雨災害と、身近な地域や日本各地で災害が起きる度に、大分青年会議所は、自分たちができることを速やかに始め、被災地の1日も早い復興に力を尽くしてきたのです。  本年も、万が一災害が発生した場合には、大分青年会議所はいち早く立ち上がります。そのためにも、自らが被災する可能性も含め、平時からの準備を怠ってはなりません。災害が発生したときに速やかに行動できるように関係諸機関と日々の交流を通じて、強くしなやかなネットワークを構築します。また、青年会議所のネットワークを信じ、大分ブロック協議会内の各地青年会議所や地区の枠組みを超えて防災協定を締結している松山青年会議所との関係を強固にしていきます。

(3)おおいたの一体感を生む日本一の祭りを創る  祭りは血湧き肉躍る非日常のハレ舞台です。大分七夕まつりは大分市を代表する祭りであり、大分青年会議所にとっても「夏の陣」と呼ばれる一大事業です。  大分七夕まつりは大分市民の一体感を生み出してきました。祭りが始まった当時、大分市は「新産都の優等生」と称された飛躍的な発展にともない、市外出身者や転勤族が増えていました。その方々に大分市民としてのアイデンティティを与え、旧くから大分市に住む人々にも大分市民の誇りを高め、大分市民を一つにまとめあげる役割を果たしたのが大分七夕まつりだったのです。大分市は2017年から人口減少の局面に入りました。危機感が漂ういまこそ、大分七夕まつりの原点に立ち返り、市民の一体感を生み、大分市民であることを自慢できる、そんな祭りを再構築する必要があります。それは、この祭りの創出に関わった大分青年会議所だからできるのです。  大分市民の一体感を高め、ピースフルな感覚を共有し、市民を鼓舞する祭りに再構築しましょう。大分市民のハレ舞台である「大分七夕まつり」を私たちの手で日本一の祭りにするのです。

(4)彩あふれる文化をおおいたに根づかせる  2018年1月、「エンジン01文化戦略会議in大分」が開催されました。一流の文化人や経済人のざっくばらんな語りの中には、地元の人間がつい見逃してしまうおおいたの魅力や、それを発展させるヒントが詰まっていました。文化交流は人類の叡智との交流です。文化の多様性を尊重し異文化を受け止める寛容さは、心を耕し、変化の激しい現代社会を生き抜くたくましさを養い、技術や知識のイノベーションを起こす手がかりを与えてくれるのです。  思い起こせば、西洋音楽の演奏や舞台芸術の公演、西洋医学の手術も、我が国で初めて行われたのは当時府内と呼ばれていた大分市中心部においてでした。ただ伝来しただけではありません。日常の一部として受け入れ、文化として定着させたのです。障がい者スポーツの分野でも、大分市は先進地です。大分国際車いすマラソンは、世界初の車いすだけのマラソン大会としてスタートし、本年40回を数えます。おおいたは文化の多様性を尊重することで、地域を発展させ、平和と豊かさを享受してきたのです。  多様性は面白さの源です。東京オリンピック・パラリンピックも開催される2020年、スポーツや文化の交流をますます盛んにし、彩あふれる文化をおおいたに根づかせます。

4 おおいたから世界を変える人材を育成する

(1)尖った才能が光る次世代リーダーを育む  強烈な憧れを抱かせる一流との交流は、尖った才能を開花させるきっかけを与えてくれます。最尖端の知識や技術に触れたときには、好奇心が掻き立てられるものです。憧れは原動力となり、好奇心は推進力を増幅します。早くから一流に触れることで成長への原動力は強化され、「面白い」をとことん追求することで成長のスピードは格段に速くなります。  世界は変えることができるという実体験は、視野を広げ、あるべき未来のために課題を設定できる視座を育むに違いありません。人としての器も大きくなり、多くの人を惹きつける魅力的なリーダーを育てることにつながります。これまでになかった意味や価値観を提案でき、第4次産業革命により実現が目される「超スマート社会(Society5.0)」をひっぱるリーダーを育成するために、才能を認め異彩を育てる環境を整えていきましょう。  大分青年会議所は、2010年から昨年までの10年間、おおいた活性化ネットワークを運営してきました。節目を迎え、新たな枠組みを生み出すときがきました。高等教育機関と大分青年会議所がしっかりと手を携え、おおいたから世界で活躍する次世代リーダーを育成する仕組みをつくります。

(2)OITAが循環型社会をリードする  美しい地球を子供たちに残す。これはいまを生きる私たちの使命です。子は宝です。私自身も2人の子の親となり、何気ない毎日の一瞬一瞬に幸せを感じています。子供たちの存在は未来を明るく照らし、子供たちの笑顔は世界を救うと、私は信じています。  世界は循環型社会へと確実に移行しています。環境問題や気候変動に対する世界の目は厳しくなり、プラスチックごみの問題は世界中で対策が求められています。世界で活躍する大企業はすでに脱炭素社会に向けてビジネスモデルを転換させつつあります。その射程を製造過程に限ることなくサプライチェーンを担うすべての業者に二酸化炭素排出実質0を求める企業もあるくらいです。循環型経済への移行は目の前に迫っているのです。  大分青年会議所は、子供たちの未来のために、循環型経済のローカルモデルを打ち出します。OITAが世界から愛される感じの好い都市となる未来を思い描き、日本の中小企業をおおいたから牽引するのです。責任世代を自認する私たちが、子供たちに夢と希望を残すために、おおいたの企業や行政、教育機関や研究機関を巻き込んだ取り組みを開始します。

(3)「できる」を持ち寄り未来の価値をデザインする  メンバー企業の持ち味や私たちの「できる」を持ち寄れば、面白いに形を与えることも、世界を変えることも、もっと容易になるはずです。  一人ではできなくても仲間が集まればできることがあると、私たちはJC活動を通じて経験的に知っています。この経験知を活用し、メンバーの「できる」を掛け合わせる仕組みづくりを始めましょう。事業活動を通じて、社会課題を解決し、理想とする未来を実現する新たな価値をデザインするのです。取り組むべき課題が明確で、その解決が社会に与えるインパクトが大きければ、同じ社会課題に取り組もうとする企業や、行政や国際機関あるいは国内外を相手にする大手企業との連携も期待されます。  大分青年会議所がおおいたの企業と新たなパートナーをつなぐプラットフォームになる。世界をあっと言わせる新たな価値をデザインし、社会にインパクトを与え、おおいたを、世界を、もっと良い方向に変える、そんなエネルギーの溢れるユニークな一歩を踏み出すときが来たのです。おおいたが世界と一体化する状況をつくり、メンバーの本業を通じて「面白い」に形を与えて世に出していきましょう。   

(4)経済人として美意識を鍛える   現代は変化が激しく先が見通せないVUCA(ヴーカ)時代と言われ、その傾向は今後ますます強まっていくと予想されています。勇気を出して、通用していた常識や慣習を捨てなければならない場面に、これまでより出くわすようになるでしょう。このような時代だからこそ、私たち青年経済人は、いま、自らの美意識を鍛え、教養を深めることが求められています。  美意識は自分自身の内部にある規範でもあります。変化が速くかつ大きな時代、日々誕生する新しい製品や新しい技術を受け入れるかどうか判断するにあたって、外部のルールや基準だけを拠り所にしていては、判断を誤ってしまうかもしれません。速く正確な意思決定には、自分自身の内なる規範に頼らざるを得ません。美意識やモラルが高いと、結果として効率がよくなるのです。  私たちの多くは経営者や管理職です。自社から新たな価値を生み出すために、尖った才能を開花させる環境を社内に整える必要もあるでしょう。業務を見直し効率化を図り、価値をデザインする時間を創出すれば、中小企業こそ生産性を高めることができます。大分青年会議所は、行政と連携し、メンバー企業の美しき改革をサポートしていきます。

5 「組織」の枠組みを変えて強くする

(1)本気の広報に挑む  インターネットはメディアのあり方を変えました。ソーシャルメディアの登場で、誰もが情報を発信できる時代となりました。言葉や絵、写真に加え動画も活用した情報発信は、「カッコいい」「可愛い」といった受け手の感性を呼び覚まし、共感の連鎖を生み出しています。青年会議所の広報も、情報伝達にとどまらない、共感の拡大こそ使命です。世界の潮流や青年会議所の活動をおおいたに提供する。逆に、おおいたを私たち大分青年会議所が日本全国・世界に向けて発信する。大分青年会議所が未活用の媒体やパートナーとの連携を視野に入れ、おおいたのワクワクが増殖する新たな広報の枠組み構築が必要です。  広報は組織のブランディングでもあります。JCのイメージをもっとポジティブに変える、そんな広報戦略が必要です。大分青年会議所の取り組みをタイミング良く発信する従来の機能に加え、青年会議所の魅力をLOMの枠組みを超えて多様な角度から広く伝えていくことにも挑戦すべきときです。面白い方法を試し、青年会議所の価値を正しく伝え、ブランドを高めるために、戦略的な広報に本気で挑戦します。

(2)会員の交流を活性化する  儀式はある種のスイッチです。世界中のJAYCEEがJCIクリード、JCIミッション並びに JCIビジョンを唱和します。JC宣言文朗読並びに綱領唱和は、日本全国の青年会議所で行われています。これらはJCIや日本青年会議所が進むべき方向性を確認しあうだけではなく、声高らかにこれらを唱和する私たちはJAYCEEであると自らに刻み込み、唱和した瞬間からJC活動に邁進するスイッチを入れることにつながっています。  会員全員でセレモニーを経験できる例会は、私たちがJAYCEEであると感じ、一体感を高める月に一度の貴重な機会です。私たちの人生やおおいたを豊かにする知恵や知識を学び、青年経済人としての経験を重ね成長できる大切な場でもあります。例会こそLOMの最も重要な事業です。メンバーの豊かな個性と美点に光をあて、例会をもっと面白くする必要があります。JAYCEEとして襟を正し、経済人としての学びに満ちた機会とし、誰もが参加しやすい環境と友情を育む交流を促す工夫を用意しましょう。まずは例会から、面白いに形を与える絶好の機会とするのです。

(3)生産性の高い会議を創る  「会議」なくして青年会議所の活動を語ることはできません。委員会をはじめ、理事会や常任理事会と各種会議が開催されています。総会や例会も会議と言えます。試行錯誤を繰り返し、開催が待ち遠しくなる生産性の高い会議をつくっていかねばなりません。  会議には様々な役割があります。各々の日々の活動を確認し合う場であり、情報共有を行う場でもあり、アイデアを出し合う場でもあれば、組織として決定を行う場でもあります。会議所の名に恥じぬよう、役割に応じた適切な会議手法を果敢に取り入れ、会議の質を高めていきましょう。  私自身は会議にも「呼吸」があると考えています。呼吸の「呼」は吐き出すという意味で、「吸」は文字通り吸うの意味です。話し合いでは、アイデアや意見を吐き出し合う発散のプロセスなくして、意見を収束させる合意形成は良いものになりません。量は質に転化します。発話の総量が多い会議は質の高いアイデアが増え、良い合意に到達しやすく、結果として決定までのスピードも速めます。日々の会議を通じて、会議の生産性を高めるファシリテーターとしての素養を高めていきましょう。   

(4)思いやり溢れるコミュニケーション  青年会議所が大切にしているものの一つに膝をつき合わせたコミュニケーションがあります。それは言葉だけでは伝わらないものに重きを置いているからに他なりません。  人に惜しみなく与える人は、真っ先に自分の利益を優先する人や損得を計算する人よりも、人生に成功しやすく幸せな人生を歩むと言われています。相手が何を必要としているのかを考え、先回りをし、周囲の人が活動しやすくなるように貢献する。そんな惜しみない思いやりが感動を与えます。細かな心遣いを忘れずに、相手の期待を上回り感動が生まれたその瞬間、その相手にとっての「大分JC」は、目の前で自分に惜しみない思いやりを与えてくれているその人となるのです。  リーダーの重要な役割の一つに、人の心を動かし、行動を引き起こすことがあります。人の心を動かすにはまず、自分のものの見方を相手の目線に合わせることも重要です。それは、私たちにとって、自分の枠組みを変え、新たな視座を手に入れることにもなります。一歩先を見据えた思いやり溢れるコミュニケーションを実行に移しましょう。

(5)JAYCEEを拡大する  JCは上質な場所を提供してくれます。自分だけではたどり着くのが難しい見晴らしの良い場所から遠くを見渡すことだってできます。JCとの出会いは私たちの人生に彩りを与えてくれています。すべては全国各地、世界各地で信用を積み重ねてきた、青年会議所の歴史のおかげです。  一方で、JCの存在が他の団体と区別できないJCのコモディティ化という現実に、全国各地の青年会議所が危機感を募らせています。しかし、このコモディティ化の認識は事実に反しています。JCだからできる、JAYCEEだから容易になることは山のようにあります。JCにいること、JAYCEEであることには意味があります。願えば願うだけ成長の機会が約束されているJCという質の高いコミュニティは、自らの成長を願い地域を愛してやまない若者に、未来にわたって分け隔てなく開かれておくべきです。会員拡大はおおいたの未来に対する責任なのです。  仲間とともに成長でき、本気の力でおおいたを盛り上げる団体、それが大分青年会議所です。JCが魅力的で上質なコミュニティである真実は、メンバーがJAYCEEであることを楽しむ姿に写し出されます。私たちこそJCの可能性を追求し、JAYCEEをもっともっと楽しみましょう。それこそが仲間を増やすのです。

6 結びにかえて

私には信じている言葉があります。 「しあわせだから笑っているのではない。むしろぼくは、笑うからしあわせなのだ」 これはフランスの哲学者アランの『幸福論』の一節です。 笑うという行為は、ふつう、何か面白いことや幸せなことが先に存在していて、その反応として起こるものと考えられます。しかしアランは違います。笑うから幸せだと感じると言うのです。 私は、この行為が感情を惹き起こすという現象を信じています。 だからこそ、どんなときも、仕事も家事もJCも、私は、楽しむようにしています。 楽しそうにすると、最初はそうは思っていなくても、どんどん楽しくなっていくものです。 私自身は、JCにいなければ経験できないこと、JAYCEEだからできることを、目一杯楽しむ機会に恵まれてきました。 先日、日本JCに出向していたときの仲間たちと宮古島を訪れました。 「宮古ブルー」と称される海は、泳ぎがからっきしダメな私でさえ、思わず飛び込んでしまうほどの美しさでした。仲間に誘われなければ、苦手な海に入ったり、ましてやシュノーケリングに挑戦したりしなかったでしょう。そして新しい世界を知ることもなく、いまにいたっているはずです。 国際アカデミーでは、アフリカのマリという国から来たデリゲイツとバディを組みました。 お互いが英語を母国語とせず、意思疎通はiPhoneが頼り。 にもかかわらず、彼との間にはかけがえの無い友情が生まれ、バディが発表されたその瞬間まで知らなかったマリを訪れる日を、私はこれからの人生の楽しみの一つとして心待ちにしています。 事業にお越しいただくために福岡市長に会いに行ったこともありました。 県庁に足繁く通う日々も過ごしたこともあります。 当時の理事長とふたりっきりで街頭募金をしたときや、 事業終了直後にサプライズで結婚式をするために奔走した瞬間もありました。 長岡の花火のすごさに圧倒されたことも、 公益法人会計に詳しくなったことも、 茶道のお稽古を始めたのだってJCのおかげです。 ここに書ききれないほどの機会をJCは私に与えてくれました。 そして、そこには必ず仲間の姿がありました。 私は実にJCで仲間と機会に恵まれました。 全ては面白がって目の前のJCに向き合っていたからだと信じています。 面白がってやってみることで、実はそう感じていなかったことだって、じわじわ面白くなってくるものです。もっともっとJCを面白がって人生の歩みを進めていきませんか。 さあ、「面白い」に形を与えよう。 私が変われば、世界が変わる。 基本方針 1 おおいたの価値を啓く 2 おおいたから面白い未来を構想する 3 おおいたの豊かさを向上する 4 おおいたから世界を変える人材を育成する 5 枠組みを変え組織を強くする

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